昔々、今から620年も前のできごとです。
鎌倉時代といって、日本の中心が神奈川県の鎌倉にあった頃のお話です。
 このあたりに、淵野辺義博という勇敢な武将が住んでいました。
 昔の人は、住んでいる土地の名前を自分の名字にしていました。
だから「淵野辺」義博なんです。
 さて、この大沼にはおそろしい大蛇が住んでいました。
この大蛇は、洪水を起こすなど、まわりに住んでいた人々を困らせていました。
 そこで、勇敢な義博は、部下をひきいてこの大沼にやってきたのです。
義博がやってくると、大蛇が大沼からそのおそろしい姿をあらわしました。
たちまち、はげしい戦いがはじまりました。
 義博たちも勇敢に戦うのですが、大蛇の強さは考えていた以上です。
なかなか決着がつきません。
しかし、ついに義博の射た矢が大蛇の体を突き抜けました。
 さすがの大蛇もここまでです。
大蛇の体はバラバラに飛び散りました。
大蛇の頭が落ちたところには「龍頭寺」、胴が落ちたところには「龍胴寺(龍像寺)」、しっぽが落ちたところには「龍尾寺」の三つのお寺が建ちました。
そして、大蛇のことを『龍像権現』としてお祭りしました。
「権現」というのは、神様のことです。
おそろしい大蛇はこの後、みんなの守り神になったのです。